パイレーツのスターリング・マルテ(マーテイ) ドーピング薬物使用で80試合出場停止|MLBスキャンダル

2017年4月18日、MLB公式サイトによると、ピッツバーグ・パイレーツのスターリング・マルテ(マーテイ)(Starling Marte)外野手が薬物規定(Joint Drug Prevention and Treatment Program)に違反したとして、80試合の出場停止処分を受けるという。

マルテは、ナンドロロン(Nandrolone)と呼ばれる能力向上物質(performance-enhancing substance)を使用していたという。

マルテは、外野手として2年連続でゴールドグラブ賞とフィールディング・バイブル賞を受賞しており、また昨シーズンでは初めてナショナル・リーグでオールスター出場を果たした。

2017年WBCでは、ドミニカ共和国の代表としても出場。チームに貢献していた。

マルテのコメント

パイレーツの球団ツイッターは、マルテのコメントの英語訳を掲載している。

「In this very difficult moment I apologize to my family, the Pittsburgh Pirates, my teammates, my fans, and baseball in general.

Neglect and lack of knowledge have led me to this mistake with the high price to pay of being away from the field that I enjoy and love so much. With much embarrassment and helplessness, I ask for forgiveness for unintentionally disrespecting so many people who have trusted in my work and have supported me so much. I promise to learn the lesson that this ordeal has left me. God bless you.」

マルテは「怠慢と知識不足により過ちを犯した」と語っており、自分の行った行為によって高い代償を支払うことになったことを悔いているとコメントした。

また、チームメイトで同じドミニカ出身のグレゴリー・ポランコは、マルテが涙を流しながら謝罪する様子を見て「胸が張り裂けそうだった」とコメント。

無くならないドーピング問題

昨シーズンには、イチローが所属するマイアミ・マーリンズでも、ディー・ゴードンが薬物規定違反で出場停止処分を受けた。

MLBは厳しく対応していると思うけれど、薬物規定違反は無くならない。薬物使用による利益の方が規定違反の罰則よりも大きいのであろうか。

トップリーグで活躍する選手たちは、毎回ギリギリのところで切磋琢磨しているため、精神的に弱っていたらドーピングへの誘惑に負けやすくなるのかもしれない。

ドーピング問題は野球だけでなくオリンピックでも度々起こる。違反した本人たちはそれなりの罰を受けるが、周りの人にとってはそれはあまり関係なく、失った時間を取り戻すことはできない。

オリンピックでメダル受賞者がドーピングでメダルを剥奪されて、他の選手が繰り上げで受賞したとしても、その選手は数年たった後の受賞にどう対応すればよいのだろうか。

かといって、ドーピング検査を厳しくすれば、選手たちのパフォーマンスに影響が出ることもある。清廉潔白な選手にとっては迷惑な話だ。

現在のところ、やはり罰則を厳しくするくらいしか対策はないのかもしれない。


うっかりドーピング防止マニュアル

参考資料:
・Berry, Adam, Marte suspended 80 games for PEDs, MLB.com, April 18th, 2017, http://m.mlb.com/news/article/225044864/pirates-starling-marte-suspended-80-games/