おそらく、メジャーリーグ史上最大の悲劇の1つであろう。
ナショナルズのジェレミー・ガスリー(Jeremy Guthrie)は、自身38歳の誕生日である2017年4月8日にメジャー昇格、その日のフィリーズ戦に2年ぶりにメジャーで先発で登板した。
しかし、その記念となる登板で、なんと初回に10失点を喫し、1回持たずに降板となってしまったのだ。
しかも、翌日9日には、ロースターから外されるDFA(Designated for Assignment and put on waivers)となり、事実上の戦力外通告を受けたのである。
誕生日にメジャー契約を結べた時には幸せな誕生日だったと推察されるが、その当日に滅多打ちにされ、その翌日にクビになるなんて、かなり精神的に苦しい状況だったであろう。
この日のガスリーの投球・登板内容
1.セザー・ヘルナンデス(Cesar Hernandez):二塁打
2.ハウィ・ケンドリック(Howie Kendrick):ヒット ノーアウト一三塁
3.オデュベル・ヘレーラ(Odubel Herrera):ケンドリックが盗塁、フルカウントから四球ノーアウト満塁
4.マイケル・フランコ(Maikel Franco):犠牲フライ WSH 0-1 PHI
5.マイケル・ソーンダース(Michael Saunders):タイムリーヒット WSH 0-2 PHI
6.トミー・ジョセフ(Tommy Joseph):タイムリーヒット WSH 0-3 PHI
7.キャメロン・ラップ(Cameron Rupp):フルカウントから四球
8.フレディ・ガルビス(Freddy Galvis):犠牲フライ WSH 0-4 PHI
9.アーロン・ノーラ(Aaron Nola):フルカウントから四球 2アウト満塁
2巡目
1.ヘルナンデス:フルカウントから四球 押し出し WSH 0-5 PHI
2.ケンドリック:3点タイムリー三塁打 WSH 0-8 PHI
3.ヘレーラ:タイムリーヒット WSH 0-9 PHI
この時点でガスリーは降板、エニー・ロメロ(Enny Romero)がマウンドへ。
ロメロも二塁打を2本、ヒットを1本打たれるなど散々な内容だったが、最後にラップを三振に仕留め、ナショナルズにとっては地獄のようなイニングがようやく終了した。
ガスリーが直接失った点は9点だったが、降板の際に塁に出ていた走者がホームに帰ったため、その走者の得点もガスリーの失点に数えられた。
投球内容を見てみると、ガスリーは4つの四球を出しており、そのうちの1つが押し出しであった。いずれの四球もフルカウントからであり、あと1球が出なかったのが悔やまれる。
ガスリーの防御率は脅威の135.00。こんな数字、見たことがない…。